鼻副鼻腔炎

副鼻腔炎とは?

 鼻のまわりの骨にある「副鼻腔」という空洞に細菌やウイルスが感染して、炎症が起こり、鼻づまりや鼻水、頭痛など、さまざまな症状が出る病気です。

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副鼻腔炎の種類

① 急性副鼻腔炎:多くの場合、かぜに引き続いて副鼻腔に感染が起こり、頭痛や顔面痛などの
急性炎症症状を呈するものです。通常は1-2週間で治ります。
② 慢性副鼻腔炎:急性副鼻腔炎の症状が長引いたり、繰り返したりすることによって慢性化した状態です。以前、「蓄膿症」と呼ばれていました。

症状

1. 鼻水
2. 鼻づまり
3. 頭痛、頬のあたりの痛み、目の奥の痛み
4. 鼻の中の悪臭
5. においがわかりにくい
6. 痰や咳

検査方法

▶レントゲン:副鼻腔炎があると白く写ります。小学生になった頃から参考になります。
▶細菌検査:鼻水を検査してどんな細菌が感染しているかを調べます。

治療

①おくすり:抗生物質、炎症を鎮める薬などを長めに(急性1−2週間、慢性2-3か月間)内服します。慢性化してなかなか治らない場合、漢方薬を使用することもあります。
②鼻の処置:鼻の中にたまった鼻汁を吸引し、ネブライザーにより薬液の吸入を行います。
③手 術 :大人の場合、鼻の通りをよくする手術を行うこともありますが、子供の場合は、よほどの重症でない限り、手術をすることはありません。

予防

カゼを引かないように規則正しい生活、栄養バランスを心がけた食事をとり、適度な運動などで抵抗力をつけましょう。また、風邪やアレルギー性鼻炎は早めにきちんと治療しましょう。

副鼻腔炎のQ&A

Q. 水泳は通わせていいでしょうか?
A. 水泳で鼻に水が入ると鼻の粘膜が腫れることがあります。症状が軽ければ問題ありませんが、ひどいときには休ませてください。スイミングのあとにしっかり鼻をかむことが大事です。

Q. 副鼻腔炎と診断され、抗生物質を何ヶ月も飲んでいるのですが、大丈夫なのでしょうか?
A. マクロライド療法といって、抗生物質を2−3ヶ月継続して飲む治療法があり、慢性副鼻腔炎に対して効果を発揮します。大人にはよく行われますが、3歳未満の小さな子供には効果が乏しく、耐性菌(抗生剤の乱用などが原因で増える抗生剤が効きにくい細菌)の問題もあるため、当院ではこどもに対しては慎重に判断しております。
点鼻治療、漢方治療、ご自宅での鼻洗浄の指導などを組み合わせて治療を続けましょう。

Q. なぜこどもはよく鼻がでるのでしょうか?
A. 免疫力が弱く風邪をひきやすいことや、副鼻腔の構造が成長途中で炎症を起こしやすいことが原因です。成長とともに鼻水が出る機会も減りますが、こどもでも鼻副鼻腔炎が慢性化することもあるため、適切な治療が必要です。

睡眠時無呼吸症候群

子供の睡眠時無呼吸症候群とは

 基本的に子供はいびきをかきませんが、お子さんが常にいびきをかいていたり、大人顔負けの激しいいびきをかいているようでしたら、睡眠時無呼吸症候群の可能性があり、注意が必要です。いびきや無呼吸によって良質な睡眠が得られないと、成長ホルモンの分泌が阻害され、その子の成長や発達に影響があるといわれています。

こんな症状には注意!

 ・激しいいびき
 ・睡眠中の苦しそうな呼吸、陥没呼吸(胸がへこむような呼吸)
 ・日中ぼーっとしていることが多い
 ・落ち着きがない
 ・低身長、体重増加不良

子供の睡眠時無呼吸の原因

 ・アデノイド肥大
 ・口蓋扁桃肥大
 ・アレルギー性鼻炎に伴う鼻閉
 ・高度の肥満
 ・顎(あご)の形態異常

治療

 子供の睡眠時無呼吸の多くは、アデノイドや扁桃腺の肥大が原因です。アデノイド、扁桃肥大は4-8歳をピークとして自然に症状が改善することがありますが、いびきの程度がひどい場合は手術を勧めています。
その他、肥満があれば減量をしながら、鼻炎があれば薬の内服を行いながら様子をみていきます。子供の場合も大人同様、CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)を用いると高い治療効果が得られますが、機械をつけて寝ることは、子どもにとってはとても大変なことであり、難しい治療といえます。

睡眠時無呼吸症候群のQ&A

Q. 子供のいびきを放っておくと、どうなりますか?
A. 子供が成長するために必要なホルモンは睡眠中に分泌されますが、睡眠時無呼吸によって深い睡眠が得られない場合は、成長ホルモンが低下し、低身長、体重増加不良のほかにも、精神遅滞を来すことがあります。また、日中、眠気が出るために、授業中に居眠りをし、落ち着きがなく、結果的に学力低下や人格変化を起こす可能性もあります。
  子供はなかなか症状を訴えることができないので、大人が早い段階で気づいてあげて、異常ないびきかどうか専門医の診察を受けることが大切です。

鼻出血

お子さんの鼻出血は5歳までに少なくとも30%が起こすといわれる、頻度の高い疾患です。
その一方、ご家庭で正しい対処法がされていないという話もよく聞かれます。
たかが鼻出血と考えがちですが、間違った対処によってお子さんの具合が悪くなったり、お腹が痛くなってしまうこともあるのです。
今回は、鼻出血について一から詳しく解説します。
これを読んで、実際に出血したときに慌てずに対処できるようにしましょう。

鼻出血のほとんどは入り口付近の粘膜からの出血

鼻の穴の中は、外から吸った空気を加湿する役割があるため、粘膜で覆われていて、血管もたくさんあります。
鼻出血はこの粘膜が傷つくことで起こります。

鼻出血の発生源は、80%程度が鼻の入り口の近く(キーゼルバッハ部位)です。
キーセルバッハ部位は外の空気に触れやすいため乾燥しやすい上に、手で触れやすいために出血しやすい傾向にあります。

残りの20%程度の発生源は鼻の上部や後方の深いところです。
その他、まれなケースとして顔面打撲、鼻骨骨折、副鼻腔の腫瘍性病変からの出血などがあります。

鼻出血の原因の多くは鼻を触ること

お子さんの鼻出血は鼻を触ったことが原因になることがほとんどです。
日常生活で鼻をいじる癖があると、無意識に鼻の粘膜を傷つけてしまうことがあります。

また、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎など鼻水が出る病気が元々あったりすると、鼻出血が起こりやすくなります。

これらの病気がある場合には、炎症によって粘膜がただれた状態になっているためです。
ただれた粘膜は傷つきやすいため、少しの刺激で出血しやすいのです。

他に、気温が高くなったり、のぼせたりすることで鼻の粘膜の血流が増え、鼻血が出てしまうこともあります。

鼻出血は一度起こすと繰り返しやすいのも特徴です。
出血すると鼻の粘膜にかさぶたができますが、このかさぶたが気になって触ってしまうと出血を繰り返しやすくなります。

周りの大人は、お子さんが鼻出血を繰り返すと心配になりますよね。
しかし成長とともに鼻粘膜が発達し、出血しにくくなるのがほとんどなので、過度の心配は不要です。

受診した方がいい鼻出血とは?

ほとんどの鼻出血は心配しすぎることはありませんが、ごくまれに重大な病気が隠れているケースがあります。
お子さんに次のような様子が見られる場合には、念のため耳鼻科を受診してください。

1 止血をしても長時間出血が続く
2 何度も大量に出血する
3 鼻血だけでなく、歯茎からも出血したり、全身の青あざがよく見られたりする。

鼻出血になったら下を向いて圧迫する

鼻血が出たときの対処法については様々なものが知られています。
しかし、正しい対処は次の方法です。

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1 鼻血を飲み込まないように下を向かせ、座らせる。または、横向きに寝かせる。
2 鼻翼(鼻のやわらかい部分)を両側からしっかりつまみ、圧迫する。
3 そのまま10分間継続する。

鼻出血の際の対処法として、上を向かせたり、首の後ろを叩いたりするということを聞いたことがあるかもしれません。
しかし、これらの対処法はNGです。

鼻血がのどの方へ降りてきて、具合が悪くなったりお腹が痛くなる可能性があります。
同様の理由で仰向けの姿勢も避けましょう。
もし、のどの方へ鼻血が流れてきてしまった場合は、飲み込まずに吐きださせてください。

鼻出血があった日は、激しい運動や湯船へつかるのは避けましょう。
血圧が上がることで再び出血することがあります。
短時間のシャワーや洗髪であれば問題ありません。

鼻出血があってから1週間ほどは傷ついた粘膜が治りきっていない状態です。
むやみに触る、強く鼻をかむなどして再び粘膜を傷つけないように注意してください。

鼻出血の耳鼻科での治療

実際に患者さんが出血している状態で来院された場合、耳鼻科で行うのは次のような処置です。

キーセルバッハ部位からの出血の場合

1 炎症がある場合には、炎症を抑える飲み薬を処方します。
2 保湿剤(ワセリン)を繰り返し塗り、保湿します。
3 処置に耐えられる場合には化学腐食剤(硝酸銀、トリクロール酢酸)や電気機器(バイポーラ)で粘膜を焼灼します。
4 軟膏付きのガーゼを鼻の穴に入れ、圧迫します。

鼻の深部からの出血や出血部位を特定できない場合

1 軟膏付きのガーゼをたくさん鼻に詰め、数日後に抜き取ります。
2 止血できないくらいの大量に出血する場合には、大きな病院での処置が必要になることもあります。

出血していないときには鼻炎の治療を

鼻出血とは別に、鼻に炎症などの疾患がある場合にはその病気の治療を継続的に行う必要があります。
出血しなくなったからといって自己判断で治療を中止してしまうと、再び出血しやすくなるので注意しましょう。

鼻出血の予防は鼻いじりをやめることから

鼻出血を起こさないための一番の対処法は鼻いじりをやめることです。
鼻いじりをして鼻の粘膜を傷つけないようにしましょう。

また、のぼせやすいお子さんには服装や空調を調節し、暑くなりすぎないように気を付けてあげてくださいね。

他に、粘膜を強くするために毎日の食事にも気を配りましょう。
粘膜そのものを構成するたんぱく質や、粘膜の健康維持をサポートするビタミン類を積極的に摂るのがおすすめです。
とはいえ、これらの栄養素ばかり摂るのではなく、バランスの良い食事を心がけてくださいね。

福岡市で鼻出血になったらみみ・はな・のど せがわクリニックへ!

鼻出血の対処としてやりがちなのが、上を向かせることと首の後ろを叩くことです。
しかしこれらの対処はかえってお子さんの具合を悪くさせる可能性があります。
鼻出血の際には下を向かせ、10分ほど圧迫して止血しましょう。

鼻出血がおこると、つい周りの大人は慌てがちですが、不安なのはお子さんも一緒です。
お子さんが動揺して血圧が上がると止血しにくい状態になるため、お子さんが落ち着けるよう、大人は冷静にふるまってくださいね。

福岡市で開院しているみみ・はな・のど せがわクリニックでは、心に寄り添ったケアを行うことで、お子さんの不安な気持ちを取り除くお手伝いに取り組んでいます。
さらにキッズスペースを充実させ、お子さんが抵抗なく受診できる環境づくりに努めています。
お子さんの鼻出血でお悩みの際は、ぜひ一度みみ・はな・のど せがわクリニックを受診してくださいね。